トトロの思い出 Ep55
難病の方へオルゴン療法
初めてY子さんに会ったのは、持尾健康センターです。
結節性硬化症と呼ばれる難病を患っておられ、お母さまが手を引いて部屋に入って来られました。
結節性硬化症は、遺伝子の変異が原因で全身の様々な場所に腫瘍をはじめとする症状がでる病気です。
Y子さんは、脳や腎臓に複数の腫瘍があり、目にも網膜禍誤腫と言う腫瘍があるため殆んど視力がありませんでした。
その時26歳でしたが体も小さくて私には、中学生の女の子に見えました。話しかけても返事がなく目もうつろで氷のような冷たい足をしていました。
ベッドに寝てもらい、足の末梢施療をしました。足を捩らせて痛がれるのでソフトに時間をかけて擦ると真っ白だった足がピンク色に変わっていきました。
座ってもらい背中や腰も擦りました。
終わるとスクッと立ち上がり、長い廊下を一人で真っすぐ勢いよく歩かれる姿に居合わせたオルターさん職員をはじめ全員があっけにとられました。
目に力がよみがえりキラキラ光っていました。
その晩は何時もなら、うなされて2~3回起きるのが常ですが朝までぐっすりと眠られたそうです。また食欲も出て来てお弁当は、毎回完食しますとお母さまが嬉しそうに話されました。
その後、持尾センターでお母さまが弾くピアノを聞きながら施術をしたり、大阪の治療院に来ていただいたりと定期的に施術を受けられました。
Y子さんは、5回も開頭手術を受けておられます。
定期健診で前頭葉に神経鞘腫の転移が見つかり、6回目の手術が決まりました。
お医者さんが言われたそうです。
「今回の手術は、かなり難しいので麻痺など術後の後遺症を覚悟してください。」
しかし、術後の二日目には歩き出し経過良好で退院され、心配していた後遺症もまったく出ませんでした。
「これもオルゴン療法を続けていたおかげだと思っています。」とお母さまが言われました。
その後も治療は、続きました。
驚いたことに治療に来られる度に体が大きくなっていったのです。
止まっていた成長が再開したかのように胸やお尻が大きくなり、大人の女性に変わっていきました。
初めて会ったときは、喋らなかったのが嘘のように施術中は、お喋りの時間になりました。話題は、アニメや歌の話などで特にジブリのアニメがお気に入りでした。
「となりのトトロ」の時代背景は、私の子供時代と被るのでトトロの話が一番盛り上がりました。
Y子さんも治療を楽しみにしてくれていましたし、私もY子さんが来る日がとても楽しみになりました。
しかし、それは長く続きませんでした。
予約された前日にお母さまから連絡がありました。
「明日、お逢い出来ますのをとても楽しみにしていました。色々なお話しをして下さり明るい思い出を以て旅立ちました。」
あんなに元気になられていたのにと言葉を失いました。
結節性硬化症は、予後不良で多くは20代30代で亡くなる病気です。 私にとって、一生忘れることができない患者さんです。
To be continued.