動く鍼 Ep27

足の脾経

気を動かすオルゴン療法

Oさん71歳男性は、坐骨神経痛のほか、足の冷えや泥状便を訴えていました。脾経のツボである太白の張りがなくなりペコリと凹んでいる脾虚証だったので、右足の大都、太白、三陰交に置鍼(鍼を刺して留め置く)をして、左足の親指の爪のまわりをオルゴンリングで擦り始めました。

すると、太白に打った鍼がピクピクとまるで当たりが来た釣りの浮きのように動き出したのです。擦った振動で動くのとは、明らかに違う動きでした。

打った鍼がピクピク動く時は、あります。これを得気(とっき)と呼んでいますが多くは、動脈付近にあるツボに刺した鍼が動脈の拍動をうけてリズミカルに動く場合です。

しかし、この時は左足を擦り始めて少し間をおいてから動き出し、振動で動いているのかと思い手を止めても数秒間動き続けていました。

その時左足の親指にある脾経の井穴(隠白・いんぱく)あたりをリングで擦っていました。右足に打った鍼は、足の脛骨内側縁を通っている同じ脾経です。

左足から右足へ気が流れたから鍼が動いたのかもしれません。

この方は、その間イビキを掻いて寝ておられ、その後の治療でも数回同じような現象が起こりました。

オルゴン療法は、詰まりをとって血液も通し、気の流れも通すようです。

To be continued.

脾虚証(ひきょしょう)

症状としては食べても消化しないので大食の割に痩せている。顔は黄色く腸がゴロゴロなりガスが出て下痢しやすい。時に食欲不振、腹が張りやすい、全身が疲れやすく力がない。

鍼灸医学事典

得気(とっき)

鍼感とも言います。鍼を刺した時に感じる鈍い痛みや重い響きを言う場合もあります。

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