血管と血圧 その2 Ep71
オルゴン療法と血圧
真冬に暖房のきいた部屋から急に寒い屋外に出ると血圧が急上昇します。
これは、体温を逃がさないようにと血管が収縮するからです。
私が子供だった頃は、暖房器具といえば火鉢とやぐらこたつぐらいで給湯設備などありませんでした。
高血圧だった母は、冬場に冷たい水で家事をすると余計に血圧が上がると言っていました。
血圧とは、心臓が送り出す血液の量(心拍出量)と、それを流す血管の通りづらさ(末梢血管の抵抗)とで決まります。
心臓が1回ドクンと血液を送り出す量を1回拍出量といいます。
1分間に送り出す血液量を心拍出量といいます。
末梢血管抵抗とは、動脈→細動脈→毛細血管と段々細くなる血管の毛細血管に血液が流れ込むときに受ける抵抗を言います。
ドロドロ血液だと抵抗が大きくなりますし、末梢の血管が収縮したり狭くなったりしたら抵抗が大きくなり、血液が流れにくくなります。
心臓は、より力強く打って血液を通そうとするので血圧が上がります。
私の母は、冷たい水に手を浸すことで手の末梢血管が急激に収縮して、末梢血管抵抗が上がり、余計に血圧が上がったのです。
図で書いたらこんな感じです。
血管の収縮と拡張をコントロールしているのは、自律神経です。
交感神経が働くと血管は収縮して血圧が上がり、副交感神経が働くと拡張して血圧は、下がります。
手足の末梢部の毛細血管には、動静脈吻合部(吻合血管)という特殊な構造があります。
Episode13「冷えが取れた理由」やEpisode14「世界陸上」でも出てきたお馴染みに図を再度見てください。
交感神経が優位の状態では、図の赤い矢印を血液が流れていて全ての毛細血管に血液が流れていません。
それをコントロールしているのが黒いツブツブの前毛細血管括約筋です。
前毛細血管括約筋は、自律神経に支配されていて、交感神経が優位になると緊張してゲートが閉まるように血液が流れなくなります。
逆に副交感神経が優位になるとゲートが開き、すべての毛細血管に血液が流れます。
つまり、手足の末梢血管抵抗が下がり血圧も下がります。
誰しも手が冷たいと息を吹きかけてこすり合わせます。
これは、摩擦熱によって手を温めようとしている一方で手を擦ることでの皮膚刺激が寒さで閉じてしまった動静脈吻合部を開けて血流を増やそうとする行為とも言えます。
オルゴンリングで手足の末梢部を押したり擦ったりすると、あっと言う間に血管が拡張して手足が真っ赤になりポカポカしてきます。
健康的な人の体温は36.5~37.1度(腋窩温)ですが足の皮膚温は、30度ぐらいしかありません。
冷え性の方など施術前に測ると20度ぐらいの時があります。そんな方も足の末梢施療をすると30度ぐらいまで上がります。
最初は、痛い痛い!と言っておられますが引き続き手の末梢施療をする頃になると口数が減り、イビキをかいて眠ってしまわれます。
これは、動静脈吻合部が開いて手足の末梢血管抵抗が低くなり血液が末梢部に集まった結果です。
同時に血圧も下がり、体の深部の血液が末梢部に集まるために深部体温が下がります。
小さなお子さんが眠いと言った時に手が熱くなっていることがありませんか?
この現象も手の末梢部に血液を集め、深部体温を下げて眠りに入ろうとしているのです。
人は、深部体温を下げて眠りに入ります。
手足が冷たい人ほど寝つきが悪いのは、常に動静脈吻合部が閉まり気味で深部体温を下げられないからです。
布団に入っても足が冷たくて寝つきが悪い方は、オルゴン療法を続けると寝つきが良くなります。
オルゴン手足の末梢施療は、動静脈吻合部を開き末梢血管抵抗を下げて血圧を下げる効果が期待できます。
To be continued.